
「相場が上がっているなら、もう少し待つべき?それとも今が売り時?」——首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の中古マンション売却を考える売主向けに、最新の市場データを“査定に落とし込める形”で整理します。
足元の実績ベースで言うと、首都圏の中古マンションは成約件数が増え、成約㎡単価も上昇し、在庫は減少しており、「売りやすさ」の面では追い風が出ています。
一方で、価格帯別に見ると高額帯は在庫が増えているため、物件によっては「待つ=競合が増える」リスクもあり、“全員が一律に待てば得”とは言い切れません。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p6〜9:出典=(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」)

ここでは、いわゆる“肌感”ではなく、レインズ等の集計データから「売れ行き」「価格」「競合(在庫)」を分解して見ます。査定の精度は、この3点を押さえるだけでもブレが小さくなります。
2025年12月の首都圏中古マンションは、成約件数が前年同月比+25.9%。取引が成立している(買い手が動いている)こと自体が、売主にとっては重要な安心材料です。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p2・p6〜7:出典=(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」)
同じく2025年12月、成約平均㎡単価は85.1万円で前年同月比+9.0%。ここで大事なのは、「売出(希望)価格」ではなく「成約(実際に売れた)価格」が上がっている点です。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p2・p6:出典=(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」)
2025年12月の在庫件数は、前年同月比で△3.6%。在庫が増え続ける局面は「値下げ競争」になりやすい一方、足元は“在庫がだぶついている”状態ではありません。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p7〜8:出典=(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」)
同期間、首都圏中古マンションは新規登録平均㎡単価が前年比+31.2%、在庫平均㎡単価が同+31.4%と大きく伸びています。平均値は「高額物件の比率が増えた」など構成の影響も受けやすいのですが、実務的には“売主の強気価格が増えやすい局面”と読み替えると判断がしやすいです。
そのため、査定では「周辺の売出単価」よりも、まず直近の成約単価を基準に置くのが安全です(売れ残りを避けるため)。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p6:出典=(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」)

首都圏といっても、都心部・準都心・郊外、そして価格帯で状況が変わります。特に「いつ売るべきか」で迷う方ほど、相場の平均ではなく自分の価格帯の競合(在庫)を見たほうが判断が速くなります。
首都圏中古マンションの在庫を価格帯別に見ると(2025年10〜12月)、
ここが“売り時判断”の実務ポイントです。
まとめると、高額帯(7,000万円〜)は「売り物件が増えて競合が増えやすい」一方、〜7,000万円帯は在庫が減っており、相対的に競合は強くありません。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p9:出典=(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」)
価格帯別の在庫傾向は、査定で次のように使うと“行動”に落ちます。
特に7,000万円〜の帯域では、待つほど競合が増える可能性があるため、
といった「販売戦略込みの査定」が現実的です。
「じゃあ、このまま上がり続ける?」と考えたくなるところですが、将来はケースによります。ここでは“断定”ではなく、売却タイミングに影響しやすい外部要因を整理します(査定時のヒアリング項目にもなります)。
国交省の不動産価格指数(全国)でも、マンション(区分所有)は2025年10月時点で前年比+9.0%と上昇が続いています。首都圏中古マンションの成約㎡単価+9.0%と方向感が揃っており、足元は“上昇局面”の一部と読み取れます。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p4:出典=国交省「不動産価格指数」)
首都圏の新築マンションは、2025年12月に分譲平均㎡単価が前年比+15.2%。一方で初月契約率は63.1%と、価格上昇に対して需要のつき方は慎重になりやすい局面も示唆されます。
新築が高くなるほど、「同じ予算なら中古で広さ・立地を取りたい」という動きが出やすく、中古相場の下支え要因になることがあります(ただしエリアと物件条件によります)。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p19:出典=(株)不動産経済研究所)

住宅ローン金利は依然として低水準の領域にありますが、資料では【フラット35】(提示最低値)が2025年12月1日時点で1.97%、前月比+0.07ポイントで2か月連続上昇とされています。
金利が上がる局面では、買い手が「様子見」になったり、同じ予算でも借入可能額がわずかに目減りすることで、価格交渉が入りやすくなることがあります。売却を急がない方でも、査定の段階で「金利上昇局面でも売れる価格帯/売り方か」を確認しておくと安全です。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p34:出典=住宅金融支援機構、三井住友銀行)
相場が強い局面ほど、売主側の価格期待が上がりやすく、「高く出して長期化」→「値下げで印象悪化」という失敗が起きがちです。ここでは、査定(机上/訪問どちらでも)に入る前に、売主側で整理しておくと精度が上がる項目をまとめます。

査定結果(提示レンジ)の納得感は、「情報の揃い方」で大きく変わります。まずは次の7つだけ、メモでOKなので整理しておくのがおすすめです。
この準備ができていると、査定が「単なる相場回答」ではなく、“あなたの物件が市場でどう見られるか”という具体的な話に進みやすくなります。

売り時の結論を無理に1つに決めるより、首都圏の売却実務では次のように“二段構え”が合理的です。
たとえば、
特に、資料が示すように「売出側の平均単価が大きく伸びる」局面では、プランAで長期化しやすいので、プランBを同時に用意しておくと判断がブレません。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p6:新規登録平均㎡単価・在庫平均㎡単価の前年比上昇)
最後に、「いつ売るべきか」で迷う売主がハマりやすい誤解を、査定の現場目線でほどきます。ここを押さえるだけでも、売却判断のストレスが軽くなります。
A. 一般論としては言い切れません。ポイントは「あなたの価格帯で競合が増えているか」です。資料では7,001万円〜の在庫が前年比+51.9%と増えており、高額帯は「待つほど選択肢が増えて埋もれやすい」リスクがあります。逆に〜7,000万円帯は在庫が減っており、待つ判断が取りやすいケースもあります。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p9:価格帯別在庫)
A. 査定は「売れる可能性が高い価格帯(レンジ)」の提案であり、最終的な成約価格は、売出価格・反響・室内状態・引渡条件・時期(繁忙期など)で動きます。だからこそ、査定では成約事例に基づく根拠と、売出後の見直しルールまでセットで確認するのが安全です。
A. 平均は便利ですが、構成(高額物件の比率など)でブレます。資料でも、新規登録平均㎡単価・在庫平均㎡単価が前年比30%超と大きく動いています。実務では、平均よりも「同マンション内」または「同じ駅距離・同面積帯」の直近成約に寄せて判断するほうが、査定の失敗が減ります。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p6:新規登録平均㎡単価・在庫平均㎡単価)
首都圏の中古マンション市場は、直近データでは成約件数が増え(+25.9%)、成約㎡単価も上昇(+9.0%)、在庫は減少(△3.6%)しており、売主にとって追い風が出ています。
ただし「いつ売るべきか」は平均論では決めにくく、特に7,001万円〜の高額帯は在庫が増えているため、物件によっては“待つほど競合が増える”リスクもあります。まずは直近成約×競合在庫×売却期限で査定レンジを組み、「強気で出すなら見直し期限まで決める」——この順番で判断すると、後悔が起きにくくなります。
引用:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所『不動産市場動向データ集』2026年1月(p6〜9)

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新聞・Webメディアなどでも取材・掲載いただいており、日々さまざまなご相談が寄せられています。

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